『東京喰種』にハマった自分に対する考察(什造編)②

若輩時は、持ち物だったり着てる服だったりに自分の
ステイタスと言うか個性が宿ると信じて疑わない心があると思う。
私も身に覚えがある。
自分を演出する事で固体化を目に見える形で行っている、
と思い込んでいる(笑)
年重ねてくるとそう言う目に付き易いものではない所での
こだわりは捨てない・見せないのが「粋」だな、と思うようになり
そういう年齢になってから見ると什造なんて子はある意味
「演出過剰」なんだよね。
白髪・爪紅い・ヘアピン・ボディステッチ・捜査官にあるまじき
個性出しまくりの服装違反…

言ってしまえば白カネキもそうで、今の私の好みど真ん中から
言うと四方が一番当てはまる筈なんだけど、何ゆえに
実に判り易過ぎな什造にハマったのか。
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と一日一回くらいは考える。
「判り易い」とは「目に見えて明らかな様」と言う具合に
ここでは言う事にする。

今日も7巻読んで什造の体型ではCCG戦闘服は女性サイズしか
合わない筈、が、丸手が軽口で「タマついてんのか」と言った時の
ぎろっとした什造の目、まあまあと間に入って丸手にそれ以上
言葉を続けさせまいとした篠原動きを見ていると、
篠原は什造に「女性ものサイズ」を支給する筈がない、
彼ならきっと「男性のSサイズでぴったりだなぁ」とか言いつつ、
女性ものの袋をそっと男性もののポリ袋に詰め替えて
什造に渡すんじゃないかな、とか考えたりする。

什造の言動は「ビッグマダムの飼い人」として残虐な行為を
行っていた+虐待行為を受けていた、と言う過酷な過去を
味わっている人間だからと言う理由だけで「判別」されて
しまうであろうな、と危惧したくなる言動描写がある。
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CCG養成所内で動物虐待事件が起こった時に、什造なら
やりかねないとして「穏便」に事を片付けようとした事例、
(実際の犯人はヤモリを拷問したトチ狂った捜査官の所業)
蟻を指先で潰して丸めている行為をクロナとナシロに
見咎められる場面、什造のような子なら仕方ないとしながら
什造だからと言って「安易」に用いっているかの様に見える。

一見、テンプレっぽく見える。

私も1期を流し見ていた際は「こう言う言動の突飛なキャラ、
実に中二病的だなぁ」と言う意味合いで判別していた。
什造のその「キャラ的」な部分に騙されてはいかんのだ…

瀕死のジェイソン見つけた時、容易に死なない事に歓喜する什造、
ビッグマダムの解体人(スクラッパー)をしていた際、如何に派手に
演出してすぐには殺さない様に腐心していたのが伺える。
マダムの期待を裏切るとお仕置きが待っているので、
細心の注意を払い極限の自制心をも発揮しなければ
ならなかった筈。
什造の中には「行う能力はある」が「行ってしまえば罰がある」と言う
相反する葛藤が生まれた筈だ。
残酷だが如何に長引かせるかであり、全力の力を人間に対しては
発揮できなかったか、と言う…什造が什造足る部分、
モンスターでもある、と言う事をギュッと詰め込んである。
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グールに育てられたので心が壊れている、ではなく
「ああ…腰抜けそう…」と言うのは初めて全力出しても
構わなかった、って事なんだろう。
育った環境が異常だから、で、すんなりと読んでしまうかも
しれない「什造くん やったね」他、キャラの台詞ではなくて、
鈴屋什造と言う登場人物の精神構造まで加味して吐かせた
台詞だとしたら…作者の意図が深すぎて逆に怖いよ。
ジェイソンを弱らせたのは誰か、と思い巡らせてる時点で
什造は正気なのだ…


什造が嘉納の実験体に選ばれなかった事こそ奇跡、って気がする。
真っ先に選ばれそうなポテンシャルの持ち主っぽいのに、
そうじゃない方に設定する…ここのさじ加減がすげぇな、って。
型どおりにやらないこだわりが作者の剛力ごり押しじゃなくて、
やっぱ登場人物に対する愛情の様な気がするんだよね。
愛着ではなく、一人の人間として考えると…愛情が自然に
湧いてくるんじゃないかなぁ。
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作者が特定の人物に感情移入し過ぎて描かれているものは、
読者がその人物に「反発心」を持ってしまったら作品に対する
評価は当然下がるだろう。
かと言って、どの人物に対しても創造主として客観視できて
当たり前だとも思わない。
そのどちらもであり、そのどちらでもない、と言うのが作者の
目じゃないかな、と思う。

『東京喰種』に関しては、作中で登場人物が取る行動により
作者が「感情を寄せている」様に感じられる時がある。
それは作者の依怙贔屓ではなく、作者が寄り添っているように
見える、と言うか。
その人物を描いているときは、作者はその人物の気持ちになり、
その人物が何を考えどうしてこう言う行動を取っているか、
作っていると言うよりは人物の言動を写し取っている、と言うか。
成り切っていると言うより、行動パターンを冷静に分析しつつ、
感情面を無視しないで踏みとどまっていると言うか…
うーん、文字にするのが難しい。
こういう時、人間はどういう思考回路に陥り、どういう行動を
取るだろうか、と考える集中力とでも言うか。

什造のボディステッチにしても、一見「飾り」の様であり、
まるでキャラの装飾品のように見える、が、読んでいくと
痛覚が鈍いから針でちくちく縫い目作れるんじゃなく、
痛覚ないんだよね、やっぱないんだな、と什造なら
確かめる行為としてそれを行うんじゃないか、と。
縫い目を見た人間が「痛そう」に顔を歪めるのを見て、
この世に「痛覚」と言うものはあるんだ、と確認する…
什造なら自分の失ったものをそうして確認しているのでは…
と作者が考えるんじゃないか、と思うのだ。

:reの2巻目で、什造の右腕的存在になりたい半兵衛が、は
什造は自責の念に駆られて篠原さんの病室に見舞いに
行けないだろう…と言っていたが、私はなぁ…行ってると思うな…
壁伝いに顏見に…面会時間外にこっそりと、誰にも
気づかれずに…。
まあ私の希望的観測だけどさー、聴こえてくるもん、
寝たままの篠原に話しかける什造の声が…
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「篠原さーん、来たですよー、什造ですー」
「篠原さん、今日も寝てるですか?いつ起きるですか?」
「篠原さーん、什造ですよー」
って、枕元に顏うずめてじっとしてる什造が目に浮かぶ…
「篠原さん、今日も起きませんねー、ではお見舞い置いておくですよー」
って枕元にお菓子置いて帰る…泣
釘宮さんの声で脳内再生されちまうんだよ…妄想なのにっ…
枕元のお菓子を見た看護師が「あの子、また来たのね…」
ってしんみりするベタな展開より、「何かしらこれ、ごみ?」って
速攻ゴミ箱に捨てられるとこまでが(笑)

:reの3巻で半兵衛に「お見舞いですか?」って言った
什造の場面、什造があそこ(病院)にいたのはやはり篠原の
見舞いに行ってる、って解釈でいいんかな、と。
と言う具合に、石田スイと言う作者は、決して声高に
「盛って」描かないのにツボはしっかり押さえていて、
それが押しつけがましかったり過剰に読み手の感情を
煽ろうとせず、とても「静か」なんだけど「感情」を弄ばない…

画像ぐぐったらあった…ここの「いやだ」と言う言葉、
什造が初めて苦痛の叫びとかではなく、生まれて初めて
自分の意志で発した「嫌だ」ではなかろうか、と思って泣ける…
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「いやだ」の一言しか書かない、でも読み手には押し寄せる様に
什造の気持ちが流れ込んでくる…

とか理屈こねまくりな文章になったが、要するに、
私は(什造におやつをあげたい…)と思うほどに、
鈴屋什造と言う子が気に入っている、という事である…
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私は今、この什造だけで小一時間安らぎを得られる…(笑)
     ※続く(Twitterツイートに加筆修正) 画像は必ずしも各巻に付随せず…

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この記事へのコメント

  • ふーにゃん

    ほんと篠原さんと什造の場面は泣けました(;>_<;)
    2017年06月26日 20:24