残酷な世界、過酷な運命に咲く優しさの化身の物語『鬼滅の刃』:第1話「残酷」
毎日毎日『鬼滅の刃』ばかり読んでいてもいいのだが
(『東京喰種』の時と同じく)世の中には他にも面白い漫画が
毎日の様に生まれていて、それも読みたい訳で。
そちらを読みつつ、やっぱ『鬼滅の刃』読もうとなった時、
ふと気付く事が多い。
『東京喰種』とは違い、伏線の張り方を発見する、
隠し文字を発見する、意味深な科白を深読みする、と言う類の
「気付き」とか種類が全く異なっており、まず思うのは、
『鬼滅の刃』は少年ジャンプに連載されていたが、
老若男女、年齢・性別を問わず指示されたのには
「少年漫画の王道」ではないからではないか、と思うからだ。
漫画好きならジャンル取っ払って漫画を読みたがるもんだが、
『鬼滅の刃』が少年漫画の王道だと言い切られると、
それはどうも違う様な気がする、と言う疑問を覚える時がある。
第1話の「残酷」。
町に炭を売りに行った炭治郎、帰りが遅くなり、家族を亡くしたばかりで
寂しんだろうな、と強引に自分の家へ泊って明日の朝帰れと言う
三郎じいさんの家に泊まる。
翌朝、朝早く家に帰りついた炭治郎が目にしたのは、血の海の中に
倒れ伏す自分の愛する家族の姿だ。
もし、炭治郎が少年漫画の王道主人公とするなら、
ここで、次のページとの間に、家族を殺された炭治郎が
絶望に咆哮し、誰が殺したと奥歯を噛みしめ、憎悪の表情を
浮かべるコマが入っても良さそうな気がするじゃないか。
炭治郎は、起きた出来事を受け止めきれず、茫然…