ことぶき猫玉日記

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zoom RSS 嶋くんの孤独が痛いBL「どうしても触れたくない」。

<<   作成日時 : 2009/01/16 17:21   >>

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実は自分の萌え所がよく解らない。
客観的に○○系が好き、とかどう言うカップリングがいいとか、
具体的に説明できない。
今市子「萌えの死角」を読んだが、なんとなく解るが、
全く同じではなかったりする。
自分の萌え所がはっきりしてないから、BLものも読み倒すしかない。
読み倒して自分の萌えにヒットする物をやみくもに探す。

2009年迎えて、ようやく師走からの気忙しさから抜けて、
今年もしょっぱなからBLものを読み倒している。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる方式で探しまくる。
探せば見つかるもんだ。

ヨネダコウ「どうしても触れたくない」
萌え所云々ではなく、物凄く丁寧に二人の男の出会いを描いている。
ゲイであるが故に、一般社会の中で辛い目に遭うであろう事は
現代の開かれた自由に見える世界でも容易に想像が出来る。
青年・嶋くんは、普通の社会の中で、ゲイであるが故に
痛い目に遭い、辛い思いをして、周囲の人に対して
「自分に関心を持ってくれるな」と言うバリアーを張って生きている。
昼食も独りで食べるし、社外での付き合いも悪い。
それは一見矛盾しているようだが、もう一人になりたくない、
と言う、賢明な自己防衛の手段だ。
誰かと結びつきを持って、それが断ち切られ、一人になるより、
最初から一人でいれば、現状維持に過ぎないからだ。
過去の痛い経験から学んだ選択だ。

こう言う手合いは、容易に他人を信用しないし、
失うくらいなら孤独を選ぶのだ。
誰かが気付いてくれないと、そこから簡単に出て来ない人種。

嶋くんには外川と言う上司が現れた。
肉体関係を結ぶが、それでも嶋くんの疑り深さは抜けない。
どこまでも「切り捨てられる自分」が怖くて、逃げの一手だ。

だが、嶋くんの過去と同じように、外川にも過去がある。
精神のバランスを壊した母親が家に火をつけ家族を焼き殺してしまう、
と言う壮絶な子供時代がある。
生き残った外川は、死んだ母は自殺した事を知らされず思春期を迎え、
ある日真実を知ってしまう。
父親の死を受け止められずに精神を病んだ母が、
子供を殺してまで自分も死んでしまいたかった、と言う事実を
どう受け止めるか、どう向き合っていくか。
外川と言う人間を形成するのに、この出来事が大きく影響していない
訳はなく、だからこそ、家族の写真を伏せている外川が
何より欲するのは自分の家族だろうと、嶋くんが勝手に思い込み、
男の自分では外川の「本当に欲しいもの」にはなれないと、
自分勝手に身を引こうとする。

嶋くんはそれほどに孤独で、淋しい。
どうか嶋くんを諦めないで欲しい、と願ってしまう。
それは、外川に「結婚して家庭を持つ」、自分の家族を持つ事を
外川の人生から失くしてしまう事になるけれど。

嶋くんが自分の殻から抜け出ることと、
外川が普通の人生を選択しない生き方を選ぶこととは、
釣り合わないかもしれない。
一見すると。
でも、目に前に現れ、出会う事になった人間を
好きになってしまった、それだけで奇跡なんだ、
この出会いには一生を懸ける価値がある、と
お互いが認めてしまったら、それでいい。
そんなBL作品だった。
不覚にも、京都に転勤してしまった外川の許へ、
恐らく、これ以上出来ないと言うくらい勇気を振り絞って出掛けて行った
嶋くんの姿を見た時、泣けてしまったよ…

画像


BLものと言う範疇に収まらないいい作品だなぁ。
嶋くんを瑛太で映像化して欲しいくらいだ(笑)


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ヨネダ コウ

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