欲望と本能と理性とモラル…『倒錯者Aの告白』。
性的嗜好の面で、あんまり自分の性癖を考えたり
楽しんだりする性格でもないので、わが身を振り返ったり
興味本位で覗く事もないので、耳年増的に聞きかじりの
知識でしかない。
フェチと言うか、こう言う嗜好である、と言うのは、
他者から見ると肉体的にも精神的にも苦痛を
伴うようにしか見えないけれど、当の本人たちにとっては
この上ない快楽を生み出すもので、その部分で
心底解り合えるのは非常に難しかろうに…なのに
出会ってしまったドS体質の刑事と、ドM体質の青年。
出会うまでは二人とも、自分の本性の性癖に全く
気付いておらず、出会った瞬間に覚醒した、等と言う
出会い方は実にBLファンタジーだが、そんなバカな、
と思う間もなく読み切ってしまった綺月陣の
『倒錯者Aの告白』。
壊しても殺してもいいから痛めつけてくれ、とかつての
様に東間を誘う嵐に、嵐を殺してしまうのは嫌だ、と
抵抗を試みる東間。
嵐脅迫事件他の部分で、ずっとハラハラさせられて
いたのはこの点だった。
2人が出会うと核爆発が起こる、くらいの緊張感(笑)
首を締めれば下の締まりも良くなって感度が増す、
とはよく読んだり見たり阿部定事件なども知識として
知っていたりもするが、如何せん、自分にそう言う
性癖がないから解らんのである。
首を絞めたい人間と、絞めて欲しいと望んでいる
人間がいて、快楽が極度に高まっている最中に
「死んでもいいから絞めてくれ」と望まれて、
思い止まる時に、S側にどんな心…



