魅力的な主人公を配する北欧系警察小説『特捜部Q-織の中の女-』②
アメリカの海外ドラマやハリウッドの刑事物を
見過ぎていると、設定はよくある「トラウマを追いつつも
刑事としての職務を全うしようと一人果敢に闘う男」と言う
ハードボイルドテイストの一匹狼風主人公がすぐに
思い浮かぶのだが、そんな彼らとカールは明らかに
違っている。
自分はおかしい訳じゃないから心理療法は受けたくない、
と言いつつ、心の傷を自覚してそっと医師の元を訪れる
訳ではなく、単に担当医師がすこぶるそそられる好みの
女性だったので、なんとかお近づきになれんものか、と言う
カールの動機は「自分の心への忠実さ」とは程遠い(笑)
かと言って無類の女好きで誰彼構わず口説くでもなく、
単に「女性」は恋愛関係を結ぶ相手として常に素直な
興味を持っている普通の男性で、女性に手が早いのが
男を上げる一端である、と言う女好きとは一線を引いている。
好みの女性にはなんとか近づきになりたいと思っているが
苦手な女性にはなるべく関わらないようにしたい、
と言う具合に女ならとりあえず声をかけると言う「タラシ」とは
明らかに違っている、が女性が好きな事は間違いない(笑)
アメリカのドラマに顕著に見られるのが「自分の弱さを
自覚する事が強さである」と主張する場面が「心を
揺さぶられる場面」「トラウマを克服する瞬間」として
描かれている場合だ。
誰かに諭されたり、乗り越えた人の姿を見て決心したり、
そこへの導入には「自分一人の決断」と言うよりは
その人間の事を案じる誰かの導…
