『東京喰種』にハマった自分に対する考察:2017年10月31日 :re 146話の旧多と宇井

旧多の目的はただ一つ、カネキくんに「食わせる事」だった、と言う…
単純な癖に複雑。
そこに「食う者」の意思が必要だったのか否かは不明だが、
ずっと食わせる為だけにお膳立てをしていたのかと思うと、
旧多って辛抱強いなぁ、って心底から思った。
なんせ「王」は不殺・食わない・省エネモードだもん…
それが「老化」として表れてしまっていたので、
旧多はそれを見抜き、自分の目的達成と言う大前提もあるが
否が応でも「食わせないと」と画策してたわけだ。
物凄い単純なんだが、連載中、旧多の真の目的が解った読者は
殆どいなかったんじゃ…
単純な事を複雑に見せる画策は狙ってやれると思うが、
複雑なものを結果単純化させて見せるの方が難しいと思うんだよ…

7巻で、エトがカネキくんに
画像

と言った後に、カネキくんが「意味が解らない」としたのは、
エトは既に旧多の思惑を見抜いており、文字通り、
隻眼の王は旧多の画策の材料にされてしまうので
「殺してくれ」と言ったのか…気になるページを探してて、
ここ読んで、やっと合点が行った。

まさか、旧多の本音を聞く相手が宇井になるとは…
誰もが予想外だったのでは、と思うのだが、一つだけ
思い当たる節がある。
宇井の闇落ちに手を貸していた様に見えていた旧多だが、
実は旧多なりに宇井に他の人間には抱いていなかったが
それが好意と呼べるほど明確なものでもないかもしれないが、
宇井の願いをかなえる事にもなる、と思っていたのは真実なんだろう。
旧多の
「御免なさい」
は、宇井に対して偽りなく出た言葉なんだろう。

今までの流れは全て旧多がVやピエロの力を操りながら
仕組んだと言う背景は揺るがないが、『:re』の10巻で、政と局内で
出くわした時に、宇井は政よりも旧多を庇っている。
つまり、旧多の側に付くと宣言し、旧多自身にも優しい言葉をかけた。
画像

旧多は旧多を演じている中で、局内で本当の意味での素顔を
見せた事は一度もなかった。
殺す相手には本性を見せても(エトやキジマ班の面々)
あのうりざね顔でいつも卑屈な媚び笑いを張り付けて。

和修の血筋に有りながら「雑用係」の「半人間」として蔑まれ、
有馬などとは違い身体能力も低かった為、彼を「評価に値する者」と
言う目で見られた事さえ、一度もなかったに違いない。
いつも軽んじられ、「どうせ…」が行き過ぎて、のらりくらしとした
立ち居振る舞いで、自分で自分を誤魔化していた節がある…
CCG内の旧多は、丸っきりの「偽物」ではあるが、そんな中で
宇井が本家筋の政の前でこう言う態度を取ってくれた事、
この瞬間だけは、旧多にはとても嬉しい出来事だったのでは
ないだろうか。
それが「偽り」の「旧多」に向けられたものだとしても、
人としてのやり取りとして、この上なく嬉しかったんじゃないか、
と思えるのだ。
宇井の望みも叶うかもしれないと思ったのは、宇井がそう言う言動を
自分に対して向けてくれたことを忘れなかったからじゃないだろうか。

「敵なのに」「殺さなかったんですね」
からの二人の会話には、
感情を持つ生き物としての尊厳を否定され続けた旧多の過去を
垣間見る気がした。
「頭のなかの問題が吹き飛んで 身体だけで もう動いていた」
「よかった」
「……!?」
「……行きます」「僕はもう 局長じゃない。」


宇井と平子が巨大カネキ赫子相手に背後を預け合って闘う様に
何故だと問いながら、旧多は「よかった」と安堵の言葉を述べている。
宇井に対し、ダークサイドへの道標を示した張本人の口から出る
言葉としては矛盾た言葉に思える。
宇井も(変な事を言うな…)と言う表情を浮かべている。

この「よかった」は、宇井が精神的に立ち直り、真っ当に動いた事への
安堵と称賛なんじゃないだろうか。
誰にも褒められた事のなかった旧多が、たった一度褒められた事。
宇井に邪心を植え込んだ張本人には違いないが、失望のどん底に在る
宇井を喜ばせる事にもなるかもしれない(有馬やハイルが生き返る)
可能性を信じる気持ちは嘘偽りなかった気がする。

科白の中に「局長じゃない。」つまり「。」が入っている。
東京喰種の中で科白の中に「。」が入る事は殆どない。
「。」は「文章の終わり」つまり旧多の出番も「〆」と言う事じゃないだろうか。
表舞台から旧多は消える。
6時間後につやつやで現れたり、大体この直前にカネキに
食われている筈なのだ。
旧多の消耗具合は「…答えろ!!」と宇井に詰問された後のコマで、
襟元に血管か何かが這う様に浮き出ており、非常に消耗している。
旧多も命を削って何かを行っていたのだ。

この二人の会話の時、amazarashi『フィロソフィー』を聴いていた。
宇井は有馬とハイルと言う大切な存在を失い、今までの自分の
「哲学」を手放してしまった。
彼に『フィロソフィー』を聴いて欲しいな、と思ってしまった。

君自身が勝ち取った その幸福や喜びを
誰かにとやかく言われる筋合いなんて まるでなくて
この先を救うのは 傷を負った君だからこそのフィロソフィー


旧多は今まで、一言で言うと「うざい」と言う印象しかなかったが、
146話読んだ瞬間、『:re』10巻での宇井との会話が浮かんできて、
私の中で旧多と言う『東京喰種』の登場人物としてすとんと
心に落ちて来た。

対象的に、13巻でオマケ漫画で散々おちょくられてる政が瓜江に
徹底的に無視されてる(笑)件について。
画像

『:re』6巻のこの場面で、瓜江は政に人間として何も期待を
しなくなってしまったんだよ…ちょっとしたことでこの差が生まれる。

10巻には、さり気にまた資料を逆さに持っている什造に
いわっちょがツッコミを入れる大好物なコマも挟み込まれている(笑)
画像

特等になってもブレない什造である(笑)

東京喰種トーキョーグール:re 10 (ヤングジャンプコミックス)
集英社
2017-03-17
石田 スイ

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 東京喰種トーキョーグール:re 10 (ヤングジャンプコミックス) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



ヤングジャンプ 2017年 11/9 号 [雑誌]
集英社
2017-10-26

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ヤングジャンプ 2017年 11/9 号 [雑誌] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



フィロソフィー
Sony Music Labels Inc.
2017-10-20

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by フィロソフィー の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



東京喰種トーキョーグール:re 6 (ヤングジャンプコミックス)
集英社
2016-03-18
石田 スイ

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 東京喰種トーキョーグール:re 6 (ヤングジャンプコミックス) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

面白い

この記事へのコメント

  • ユウ

    初めまして。神奈川住みの高校生です。最近の東京喰種では自分も含めほとんどの読者が驚きを隠せない展開が続き、中には突拍子のない考察や解釈でこの作品自体を非難してる人たちもいて、それに影響されたのか自分自身もこの作品に対して暗い気持ちになってしまってました。そんな中でこの考察サイトを見つけて、この考察を読んで、こんなにも細かくしっかりと読んでいる人がいたことに驚き、とても感動しました。悪役である旧田にも今考えてみるとそれなりの過去があり、ただの「きちがいキャラ」では済まされないほど濃く深いキャラクターである事に今更ながら気がつきました。これからは自分もこの作品に対してもう少し真摯になりたいと思います。稚拙な長文失礼しました。本当に感動しました。
    2017年11月02日 00:22
  • 広尾

    こんちは、こちらでは、お久しぶり。
    まだ、新巻を読んでないんですよ、早よですよね(笑)
    その次の巻は、泣いてしまいそうです。

    2017年11月02日 16:52
  • ざじ

    とても丁寧なコメントを有難うございます。考察は読み手の感情一つで揺れ動いてはいけないものとして、自戒の為に書き残しているものです。ファンだからこそ、フラットな気持ちでい続けるのは難しいものです。作者の石田スイ先生自身が、とても真摯な方だと思うので、キャラと言うよりは作中の登場人物として彼らが生きる世界を写し取っているのだと思ってます。それに対し、読者がどう受け止めようが自由、と言う事も解っていらっしゃると思います。東京喰種ファンとしては、自分が感じた事を信じ、読み続ける事を止めたくないと思っています。
    2017年11月02日 23:09
  • ユウ

    お返事ありがとうございます。自分も東京喰種のキャラは創作による人物というよりも、一人一人意思を持って1人でに動いているような感覚を持っていたので、似たような感覚を持っている人がいて少し嬉しいです。笑
    そうですよね、やっぱり自分が読んでみて実際に感じたことが自分にとって1番大切ですね。確かに読んでいる時は展開にドキドキしたり、好きなキャラクターが出たら単純に嬉しかったりしますもんね。
    今私は受験中で、これといった楽しみが毎週の東京喰種しかないので、やっぱりもっと丁寧に読もうと思います。あと145話の冒頭のスケアクロウなどの描写が未来のことであるという考察はものすごく興奮しました。笑
    第3部、あるといいですね。
    2017年11月03日 22:42