ことぶき猫玉日記

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zoom RSS 贅沢な4話の物語を堪能「少年四景」その1。

<<   作成日時 : 2012/02/02 23:33   >>

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「痛すぎて聴くと落ち込みそう」と勝手に思い込んで先延ばしにしてた
「少年四景」を聴いた〜。
内心、寝る前に聴いて大丈夫かな、とか思いつつ・・・しかし心配は杞憂に終わる。
話はそれぞれ結構ヘヴィーなんだけど、音楽がいい!!
一話目のジャズっぽい音楽から「これは洒落てる!」って思った。
作品の雰囲気をいい意味で軽くしている。
悲劇的な内容にあわせて悲劇的な音楽を持ってこられるよりは、
相反する明るめの曲が流れる方が、実はその悲劇性が強調される、
と言う、正にあの感じが効果的に使われていた。
4話全て、自己陶酔的に悲劇を盛り上げるのではなく、
逆手に取っている感じがして、こう言っては偉そうだが
音楽をつけた人のセンスが非常にいいんだなぁ、と思った。
作品を読み込んだ上で、こっちの手法を取っている、
それが最大限の効果音となって作品の雰囲気を作っている気がした。

オムニバス形式で、4つのお話が収録されているわけだが、
一話一話は短くて毛色も時代も少しずつ違うのに、
その4話それぞれが物語を凝縮しており、完成度が非常に高い。
長ければいい、と言うわけじゃない、と言うのを思い知らされる作品。
キャストも声優の使い回しではなく、それぞれの話にあわせて
カプをキャスティングしており、それがまた物凄く合っている。
話に合っている、と言うのと、対戦相手のバランスとしても
程よいバランスが取られていて、いい意味で甲乙つけがたい
競演の乱舞、といった感じだった。

『僕は天使ぢゃないよ。』 みどりん×みきしん(リバあり)
専門学校で出会った「美しい彼」の為に犬になるのも厭わない
ぽちと名づけられた青年と、彼を犬扱いする人でなしな関と言う男の
歪んだ人間関係が主軸。
ぽちは、愛する彼のためなら自分が酷い目にあっててもそれを許容する程に
彼を愛しているのに、彼は他者に対して労りを持てない嫌なやつ。
彼の人でなし部分の奥底に怯えや恐れがあるのをぽちは見抜いていて、
それでも彼を責めたり、否定したりしない。
一目で好きになってしまった彼の為へ向けられる献身愛が、
最後にどうなるか、と言う劇的な結末が待っていて、
これを流石なみどりんとみきしんで演じられるので、
関の戯れで仲間に輪されるぽちの毅然とした精神力と
暴力的なもので人より上位な位置にいることでしか
自分の弱さと向き合えない関の矛盾がストレートに伝わってくる。
4作品の中で、一歩間違えば聴いている者に嫌悪感を与えかねない
一番難しい話だと思うが、安心して聴けるキャスティングだった。
フリトも、BL作品への出演数の多さもあるだろうけど、
ジャンルを理解し、プロの仕事の一つとしてこなしている二人の
声優さんのあ・うんの感じと、余裕を感じるトークだった。

『花』 帝王×櫻井さん
戦中の話で、ドイツ人と日本人の混血の青年と、彼が奉公する家の
次男で、暴君な年下青年の物語。
端的に言えば、権力を嵩にして、身分の低いものを自分の意のままに
操って陵辱するタイプなのだが、タイトルの花が何を意味するのか、
と言うのが分かれば、これが恋の物語だというのがよく分かる。
戦争時に、異国の血を持つ青年の外見の美しさに魅了された次男が、
魅了された自分に対しての怒りをぶつけるように彼に性的なものを強要するが、
強要する自分が許せなくなった時に登場するのが花なのだ。
これはビジュアルで見た方がわかり易いんだろうな、と思って
即、原作を読み返したが、その花が「近所の塀に咲いていたのを取ってきた」
正にそんな花で、あの花にありったけの気持ちを込めた彼が
贖罪のように最後の決断をする辺り、涙腺が弛む。
こちらのフリトも、両者のBLに対する理解度の高さが伺われて、
決してリップサービスなどではない生の声が聴けて興味深い。

『LOGOS』 なりけんさん×岸尾さん
これに関しては、なりけんさんの17歳はちょっと無理があるんじゃ・・・
と言う気もしないでもないが(笑)、聴いてしまうと全然気にならなくなる。
橘が身の内に抱える絶望を考えると、同世代の人間よりは
大人びた精神構造をしていると思われるので。
幼馴染の家に行くと、その家の主である彼の父親が血を流して
死んでいて、殺したのは自分だ、と言う彼と、巻き添えで殺してしまった
飼い犬の死体をトランクに詰めて彼の祖父母の田舎へ旅に出る、
と言う話で、確か映画に好きな女の死体を抱えて歩く男の話が
あったと思うので、そう言う映画にシンパシーを受けて
描かれた作品だと思われる。
二人の人間が先のない逃避行をする、と言う展開は、
映画ではよく登場する話だ。
映画「バタフライ・キス」「ノッキン・オン・ヘヴンズ・ドアー」なんかが
すぐに思い浮かぶので、こう言う未来のない逃避行の末の二人の
結末ものが好物な私には馴染み深い世界観。
結末がどうなるのか、やはりそこには悲劇しかないように思うが、
これを「残されて現実社会に戻っていく」縹を岸尾さんが演じることで、
彼のどちらかと言うと高音域な声がカラッと聴かせてくれていた。
フリトは、にじり寄る曲者先輩・なりけんさんを、どうにか穏便に
スルーして終わりたい後輩・岸さんの、気付かれないように後ずさっている
感じが非常に面白いトークだった。
そして、この流れは次の作品のフリトにまで実は続いている(笑)

『セルロイドパラダイス』 賢雄さん×ヒロC
最初に頭に入れてから聴いた方がよりそのことの重要性を実感できる。
受け声優で一番好きなヒロCの「受け初作品」である。
しょっぱなでこれである。
やはり、受けスキルの高い人は、最初から高いのだ。
やって行くうちに上手くなる、と言う事もあるだろうが、やはり持っている
センスの引き出しにないものは出ないのだ。
そしてセンスは磨けば必ず光るか、と言えばそうじゃない代物なんだ、
と言うのを否応なく感じさせてくれるヒロCデビュー作として聴くと、
より現在の彼の凄さが分かる。
大金を突きつけられ、半ば強引に男に連れまわされる少年アツと、
男の物語。
これも、終わりなき逃避行のお話。
男は寿命に限りがあり、彼の感傷にアツが巻き込まれているだけで
終わらないところが実にBL的。
これの先にあげた映画のタイトルを思い出しながら聞いた一作。
映画的であり、そして、短編小説的であり、JUNE的である。
賢雄さん演じる男の自分語りを受けるヒロC演じる少年。
たかが少年に男の絶望など理解できるわけがない、と言う辺りを
ヒロCが演じているのである・・・
4作中、全てに濡れ場があるが、私的に一番エロさを感じたのは
この作品だった。
大人な賢雄さんの声と、巻き込まれながらも男を理解したい、
気持ちを分かりたい、出来る事なら・・・と切実な思いを抱き始める
アツの繊細な部分をヒロCの声が受け止める感じが非常にエロかった。
全て後で原作を読み直したが、原作のイメージに一番近い
キャスティングもこの作品だったと思う。
対戦する声優のバランスではなく、原作のキャラ主軸に於いて
キャスティングされた作品、と言う感じが一番したのがこれだった。
フリトは、大人の悪ふざけに入りそうな先輩俳優を、軽く受け止める
後輩の余裕を感じるもので、そこへ、全作のなりけんさんの
ネタまで被さってきて、最後の作品のフリトとして、この「少年四景」と言う
作品の〆に相応しいフリトでもあるなぁ、と言う気がする。

フリト込みで機器応え十分な作品。
それぞれ雰囲気や毛色が違っている。
そしてどのフリトも、短い作品ながら、それぞれに声優さんが
面白く仕事をして楽しんだ感じが伝わってくる。
作品が駄作だと、終わった後の声優さんの疲労感、ってのが
フリトに現れるので、4話ともにそれぞれの二人の声優さんが
短い話を理解して、楽しんで演じたんだな、と言うのが伝わってくるだけで
この作品を聴く価値がある、とさえ思う。

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