通説を裏切る展開「クリミナル・ラヴァーズ」。

フランソワ・オゾン作品デビューは「焼け石に水」で、
なんて意地の悪い映画を作る監督だ、この感性は
本人がゲイで、かなり屈折した心の持ち主でないと
出せない風味だ、と思っていて、後追いで色々
オゾン作品を見たが、「焼け石に水」はまだマシで、
初期の作品ほどエグさが増している。
オゾン作品の共通して言えるのは恐らく、ザラザラした
嫌悪感にも似た「いや~な感じ」だ。
観終わった後味は決して良いものではなく、
むしろわざと見る側の感情を逆撫でしたいんだな、と言う
「後味の悪さ」を残して終わるものが多い。

「サマードレス」も、吹き替え版で見たから余計なのか、
ゲイのカップル二人とも、外見は男なんだが、
喋る言葉はオネエで、オネエ言葉があんまり好きじゃない私は
「うわっ、受け付けん」と眉間に皺が寄ってしまうし、
「焼け石に水」は、どちらかと言うとちやほやされる筈の美少年に
ここまでの仕打ちをやっちゃうか、オゾン、と言うものだし、
とにかく、すんなり終わらない。
固定観念にしか過ぎないが、所謂、通説や定説が通用しない。

「クリミラル・ラヴァーズ」は正にそれの見本市みたいなもんで、
同級生を自分にぞっこんな男の子に殺させると言う、
快楽殺人者そのものの展開から始まり(そこに憐みの情など存在しない)、
こりゃ、すぐに捕まるな、と言う杜撰な後処理の後の
二人の逃亡劇、未熟な高校生にする事なんで、行き当たりばったり、
こいつら阿保やな、阿保としか言いようがない森への逃亡で
苛々させられ、しかしやはり神は存在するんだな(笑)、
森に住む得体の知れない男の家に忍び込んだはいいが
簡単に捕まってしまい監禁状態。
道徳的にみるなら「天罰が下ったな」で終わるのだが、そこはそれ、
ひねくれた感性の持ち主オゾン監督、加害者である二人に
容赦のない恐怖が降りかかると言う、ホラーより怖い展開。

ここで、またまたオゾン監督のひねくれ度合いが増す。
普通、森の中で男に監禁されたら、男の子の方はさっさと殺され、
惨劇を見て諦めの境地に陥った女の子が男の奴隷になっちゃう、
なんてベタな展開が予想できるが、見事裏切られる。
男の子の方が男の嗜好に沿った存在である、と言う点だ。
身の回りの世話を男の子にやらせて、じんわりじんわり迫って行き、
男は男の子をレイプする。
これは「ゲイ」でないと出ない発想だろう、絶対。

それにしても、後味が悪い。
悪いんだけど、そもそも、自分の身勝手な欲望で、
「自分をレイプした」と嘘をついて同級生を殺害させ、
「それは愛ゆえに」なんて自己陶酔に陥っている浅はかな
ティーンエイジャーの女子が、ラスト、警察に追い詰められて
あっさり銃殺されてしまうなんて…オゾンにとっては
こう言う状況を作り出し、男の子をいたぶる場面が撮りたいが為の
お膳立てに過ぎないんじゃ…なんて穿った見方をしてしまう…
女と言うものに愛情感じない所が、割り切ってて凄い(笑)

なんとこのティーンエイジャーのカップルを演じた男女、実際
姉弟だとか…凄いキャスティングだな、何というか、
実にフランスらしい感覚だ。
日本だったら倫理観がどうたら、と言う話題がすぐに出てきそうだ。

「8人の女たち」が、オゾン作品の中では一番好きかも。
女しか出て来ないんだけど、なんか一番解り易い。
サントラ聴いてみたいと思うし。

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