ことぶき猫玉日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 『黄金を抱いて翔べ』と椿屋四重奏。

<<   作成日時 : 2014/01/18 00:00   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

歌詞を全部載せてしまうと色々とまずいので
(本当は全部の歌詞を読んで貰いたい…)
抜粋して書かせて頂きたい…
本を読んでいる時、ふいに頭の中を曲が流れて来たり、
その時にウォークマンで聴いていた曲が見事に
リンクして聴こえたりする事がある。
偶然の一致、自分の感傷がもたらす単なる思い込み、
そう言うものであるに違いないのだが、どうしても
相乗効果をそこに見出してしまって、自分の
情動が揺さぶられる手助けをしてしまう時がある。

音楽は、ポピュラー音楽であれば一曲が
3〜4分程度で、歌詞に乗せて一つの物語が完結する
とても短い小説のようでもある。
時に歌詞に意味がなくても聴けるのが音楽であり、
ドラマ性と楽曲自体の素晴らしさが同等でなくても
音楽として成り立ってしまうが、歌詞の意味と音楽が
見事に融合した時に、仮に自分に歌詞に書かれたような
経験が全くなかったとしても、一つの小説を読んだり
映画を見た後の様な感慨を覚える事があるのも音楽、

椿屋四重奏「嵐が丘」聴いてると、自分にそう言う
思い当たる所が無いのに泣けて来る感じ、
あの泣ける感じで泣けるんだよ…モモさん。

椿屋は日本語が美しい…私、日本語大好きだよ。
他の言葉が喋れる訳でもないけど、日本人でよかった、
と思うのは日本語の表現力の柔軟さを実感した時だよ。

モモの死はそれだけで読んでいる者が感情を
揺さぶられてどうしようもなくなってもしょうがない
場面だ。
そこに、幸田の気持ちが加わる。
モモは、幸田が何回か、金塊強奪計画に影を落とす
リスクを背負ってまで守ろうとした命であることを
きっと知っていたに違いない。
知っていて、幸田の判断に自分の命を預けていたに
違いない。
言葉に出さずに、モモはその行動でそう言うことを
受け入れていたに違いない。

モモの命を大切だと思って自分が動いていた事、
失った命に悲しみが押し寄せて自分を支配してしまう
瞬間が来ることを、幸田はどの辺りで自覚したんだろう。
教会で開いたままのモモの目を見た時ではなく、
もっとずっと後になって、自分の気持ちに気付く、
幸田がそう言う人間の様な気がして、
そんな幸田の分も泣けてくるのだ。
この泣ける感じをどこかで味わったことがある、と
思った時に浮かんだのが、椿屋四重奏「嵐が丘」だった。

椿屋四重奏『嵐が丘』
モモの死の場面を読んだ翌日に、自分の感情が
揺さぶられるあの感覚、この感覚を他のものでも
感じた事がある、と気付いて思い出したのが
「嵐が丘」だった。
改めて聴いて、歌詞を耳に入れると、もう、それは
幸田の心情を歌いあげたものとしか聴こえなくなった。

作詞:中田裕二 作曲:中田裕二 歌:椿屋四重奏

最果てに身を沈めた 夕陽の足跡を数えて

穴の開いたその体を 地べたに寝かしつけて

嬉し悲しき 共にあり 忘れ難きをまた灯し
嵐の中 自ずと望んだ この場所に
涙と雨の 涙と雨の 祝福を

咲いて散りゆく花となり 夢と現を抱きすくめて
嵐の中 自ずと望んだ この場所に
涙と雨の 涙と雨の 祝福を

闇を切り裂いた稲光 喜びを打ち鳴らすかのように
俺は運命の渦の中に 呑まれながら 全てを受け入れる為に


教会に入る辺りでイントロが聴こえて来て、
♪最果てに身を沈めた♪と歌い出しが終わったところで
「やっと来たな」が入り、曲の一番目が終わる頃に
幸田が眠りに就き、一旦音が切れる。
翌日幸田の目が開いてモモの頭を見た辺りで
曲の二番目が鳴り出し、♪春の陽が包み込んだ♪が聴こえ、
片山町の坂道を上がる幸田の背中で曲がフェイドアウトして行く、
そう言う映像が浮かんで仕方なくて、会社への道すがら、
ウォークマンから流れる椿屋四重奏の『嵐が丘』に
歩きながら泣きそうになった。

椿屋四重奏『かたはらに』
「嵐が丘」を聴いているとこちらも聴きたくなり
歌詞の一つ一つが幸田とモモに結びついて
とてもやるせなくなった。
仕事を終え、興奮が落ち着いた時にきっと
幸田はモモの事を思い出すだろう。
その時の心情に物凄く近いのでは、と言う
気がしてならなかった。

作詞:中田裕二 作曲:中田裕二 歌:椿屋四重奏

いつ何時も 其方の熱を傍らに 無下に恋し 面影に暮れた
いつ何時も 其方の声を傍らに 過ぎる戯れ 溢れんばかり

径にふたりの 影伸びた

径にふたりの 囁きが

夕立を待つ影 夏草の匂ひに 声も失ふ不始末よ この様を 許せ

いつ何時も 其方の熱を傍らに 無下に恋し 面影を連れて
いつ何時も 其方の熱を傍らに 見放ぐ事など 出来やうものか


幸田がモモの事を胸の内に呼び出し、
思い出して苦しくなるのはいつだろうか。
DVDがまだ届いてないので映画を観てないのを幸いに、
私の中ではこの曲が『黄金を抱いて翔べ』と言う
物語のエンディングに流れている。
物語が終わった後、それでもそこに在った登場人物の
物語は読者や観客の知らない所で続いていく。
読者と観客に背を向けた彼らの背中に、
幸田の背中に、この曲が流れている気がしてならない。

椿屋四重奏『小春日和』
少しの日常の日々の中で、幸田がこう言う気持ちで
モモへの自分の感情を反芻する時間があれば
いいのになぁ…と思わずにはいられない歌詞。

作詞:中田裕二 作曲:中田裕二 歌:椿屋四重奏

胸に収まりきれずに ある時 弾け飛んだ 君の目の前で

移りゆく季節に 身を任せながら
笑い泣く君が 僕には欠かせないのさ
長い髪を風に なびかせ佇む
落ちかけた日差しに溶けた 君が儚いんだ


京美人と評した女装したモモの長い髪の毛を
こんな風に見つめていた幸田の気持ち。
「君が儚い」と思ってしまう幸田の気持ち。
聴いているうちに、これは読者が二人の事を
想って感傷的にならざるを得なくなるそう言う曲。

まだ映画を見てないが、私の中では映像としての
『黄金を抱いて翔べ』があるが、その映像に
ついているのは椿屋四重奏の曲たちだ。

全ては私の感傷が思い込ませるものであり、
この作品を読んだ人それぞれ、こう言う事が
起きているんじゃなかろうか。
この作品を読んだ読後感を、色んな方法で表現できると
思うが、私にとっては椿屋四重奏のこの3曲を
聴いた時の感覚に似ている」と言う言い方が出来る、
と言うだけである。

RED BEST
DAIZAWA RECORDS / UK PROJECT
2008-03-19
椿屋四重奏

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by RED BEST の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



黄金を抱いて翔べ (新潮文庫)
新潮社
高村 薫

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 黄金を抱いて翔べ (新潮文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『黄金を抱いて翔べ』と椿屋四重奏。 ことぶき猫玉日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる